営業ノルマが年々厳しくなってきている事が、彼女達の尽きない悩みだった。そこで、新規契約を掴む為に、枕営業をして契約を取るという風習が慣例となった。あんりさんは当初、先輩保険セールスレディのそんな悪習は理解が出来なかった。しかし、正攻法で優秀な成績を収めていた彼女が、ノルマすら達成が困難となってきていた。既婚ではあるものの、淡白な旦那とは夫婦生活も上手くいっておらず、最近は欲求不満。無意識的に悶々とした雰囲気を醸し出していた。今日も、契約見直しを訴え出た顧客の所に出向いたまでは、普段と何ら変わりなかったのだが…契約と交換条件に強引に迫られた瞬間に…。
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